聴き手がわからなくなる話し方

こんにちは。
毛利まさるです。

聴き手がわからなくなる話し方とセールストーク

営業やプレゼンの場で「何を言っているのか途中でわからなくなった」と思われてしまうことほど、もったいないことはありません。

実は、これは特別な失敗ではなく、よく起きることです。

特に「そして」「ですが」「それで」といった接続詞を多用しすぎると、聴き手の頭の中では話が整理できなくなっていきます。

考えてみてください。英文で延々と関係代名詞や修飾語が続いた場合、どこが主語で何を言いたいのかが見えなくなります。

それと同じことが日本語の会話や説明で起きてしまうのです。
これこそが「聴き手がわからなくなる話し方」です。

切れ目のない言葉がもたらす混乱

例えば「この商品は価格が安く、そして耐久性も高く、さらに最近のニーズにも合致していて、
ですけど実は他社との比較においても優位性がありまして…」という話し方。

文章が切れ目なく続くことで、聴き手は頭の中で情報を保持し続けなければなりません。

結果として、最後に言いたかったポイントがぼやけてしまうのです。

セールストークは本来、シンプルで分かりやすくあるべきです。
聞き手に余計な負荷を与えず、伝えたいメッセージが一度で理解されることが理想です。

ところが切れ目のない話し方は、まさに「理解を妨げるノイズ」となってしまうのです。

「思います」は説得力を下げる

もう一つ、聴き手を迷わせる要素があります。それが「〜だと思います」という表現です。

一見すると謙虚で柔らかい言葉に聞こえるかもしれません。
しかし受け手にとっては「これは単なる私見であって、根拠があるわけではないのか」と感じられてしまうのです。

営業やプレゼンで大切なのは、自分の意見をただ述べることではなく、相手に「納得」してもらうことです。
したがって「〜と思います」を多用するよりも、「〜というデータがあります」
「〜と評価されています」といった客観的な表現を使うことの方が説得力を増します。

一文を短く、意図を明確に

聴き手が理解できる話し方の基本は「一文を短く区切る」ことです。

たとえば「この商品の価格は安いです。耐久性も高いです。
そして最近のニーズにも合っています」と区切って話せば、相手は一つひとつの情報を整理しながら聞くことができます。

特にセールストークでは「お客様にとって一番のメリットは何か」を冒頭で明示することが重要です。

そこを軸に据えれば、多少補足説明が続いても迷子にならずに済むのです。

話し方は信頼を左右する

「話がわかりやすい人」と「話がわかりにくい人」。

この差は内容そのもの以上に、伝え方によって生まれます。同じ情報でも、整理された短い文で伝える人は信頼されやすい。

一方で、ダラダラと長い文をつなげる人は「結局この人は何を言いたいのか?」と思われ、信頼を失いやすいのです。

つまり、話し方そのものがセールストークの一部なのです。

商品やサービスを売るだけでなく、自分自身の印象を売っている。
だからこそ「聴き手がわからなくなる話し方」は徹底的に避けるべきなのです。

「そして」「ですが」とつなげすぎる話し方は、聴き手を迷子にします。
また「思います」を多用することは、説得力を下げる要因になります。
大切なのは、短く区切り、意図を明確にすること。
つまり、聴き手に余計な負担をかけないことが、最も効果的なセールストークなのです。