
こんにちは。
毛利まさるです。
あなたなりに誠実に対応したつもりなのに、
突然どこからか道徳的な“正義の鉄槌”が振り下ろされる。
SNSや社内の掲示板、あるいは会議の場で、
“正義”という名のもとにあなたの行動や発言が批判される。
そんな経験がある方は、
いわゆるソーシャルジャスティスウォリアー
(Social Justice Warrior/SJW)との接触を
すでに経験しているかもしれません。
ソーシャルジャスティスウォリアーとは、
表面上は「社会的正義」を唱えているようでいて、
実際には過剰な正義感によって他者を断罪しようとする存在です。
もちろん、正義感を持つこと自体は素晴らしいことです。
であるものの、その正義が「自分以外を排除するための武器」になったとき、
そこには健全な議論も理解も存在しません。
セールスの現場でも、こうしたタイプの人と向き合うことがあります。
例えば、「その表現は今の時代には合いませんよ」と、
一言一句を槍玉に挙げられる。発言者の意図は“正しさ”であるものの、
そこに対話の余白はありません。
まさに、「重箱の隅をつつく」ようなやり取りが繰り返され、
やがてあなたのメンタルは消耗していくのです。
こうした状況に陥ったとき、覚えておいてほしいのは、
「正しさにすべてのエネルギーを注がない」という姿勢です。
相手の価値観に過剰に同調しようとすると、
あなたのセールスメンタルが確実に摩耗していきます。
とくに、過剰な正義感を持つ相手と向き合い続けると、
自分の行動すべてに疑念を抱き、
「自分が悪いのかもしれない」という罪悪感ループに陥ってしまいます。
こうした時こそ必要になるのが、“切り分ける力”です。
すべてを正面から受け止めるのではなく、
「これは私が本当に受け入れるべき批判か?」
「これは相手の価値観の押しつけではないか?」と、
自分なりのフィルターを通して考えるのです。
過剰に自己防衛する必要はありません。
しかし同時に、すべての指摘に応じようとする必要もないのです。
特に、セールスの現場では「正義」よりも「信頼」が重要です。
少しの言い間違いや認識の差異があっても、
関係性がしっかり築かれていれば、
それがトラブルになることはありません。
しかし、正しさばかりを追求する相手とは、
信頼関係を築くこと自体が難しい。
だからこそ、距離を取る勇気もまた、
現代のセールスには求められているのです。
セールスメンタルとは、ただストレスに耐えることではありません。
どんな相手と、どんな距離で、どんな会話をすべきかを見極める
“判断力”も含まれています。
だからこそ、「正しすぎる人」とは、適切な距離感で接することが、
あなたの心を守る最もスマートな方法なのです。