こんにちは。
毛利まさるです。
メールでも会議でも、「伝えたつもりなのに相手が理解していない」という経験はありませんか。
あなたが丁寧に説明したはずなのに、なぜか肝心な部分だけが抜け落ちてしまう。
相手の理解力を疑いたくなる瞬間もあるかもしれません。
しかし、それは相手の問題ではなく、伝え方の構造そのものに原因がある場合が多いのです。
文章が長くなるほど、読み手は情報を保持し続けることが難しくなります。
最初の数行で理解したつもりになっても、最後まで読み進めた頃には冒頭で何が重要だったのかを思い出せない。
結果として、「結局何が言いたかったのだろう？」という印象だけが残ってしまうのです。
情報は多いほど伝わらない
人は一度に処理できる情報量に限界があります。
文章が長いと、内容は確かに丁寧かもしれませんけど、受け手の脳内では情報が渋滞を起こします。
あなたがどれだけ大切なメッセージを含めていたとしても、他の情報に埋もれてしまえば、読み手は判断できません。
さらに、長文で前置きが延々と続いたあとに「結論は〇〇です」と一言だけ添えられても、
その一言がどれほどの重みを持っていたのかが理解されないまま流れてしまいます。
あなたがどれほど真剣に伝えたとしても、読み手がその温度に気づけないまま終わってしまうのです。
“繰り返し”がなぜ強力なのか
読み手にとって重要かどうかは、内容そのものよりも「繰り返されるかどうか」で判断されることが多いものです。
これは心理学の分野でも広く知られている事実で、同じ言葉が繰り返されると、無意識に「これは大事なんだ」と認識するようになります。
この仕組みは営業トークでも社内説明でも同じで、多くの情報を一気に押し込むよりも、
たった一つの重要なポイントを繰り返した方が、相手の記憶に残ります。
「ここが重要です」とはっきり言葉にすることも、読み手に対して“これだけは押さえてほしい”という合図として極めて有効です。
結論は“短く伝え、重要な部分だけを強調する”
長く説明すれば理解が深まるという考え方は、実は逆効果になりがちです。
読み手がどれほど真面目な人であっても、長文の中から重要箇所を自力で見つけるのは難しいものです。
あなたが大切だと思っているなら、
まずその一点を繰り返す。そして必要であれば、「ここが重要な点です」と明確に宣言する。これだけで伝わり方は大きく変わります。
文章は長くするほど説明したような気になりますけど、読み手に届く量はむしろ減っていきます。
あなたが本当に伝えたいことを確実に届けるために必要なのは、複雑な言い回しでも長い背景説明でもありません。
短く、そして繰り返し。 これこそが、誰にでも伝わる文章の唯一の原則なのです。
