
こんにちは。
毛利まさるです。
体験してわかる「不十分さ」という現実
これは私が久しぶりに夜間バスで移動をした日のことです。
ぐっすり眠るためにネックピローを準備し、腰当ても持参し、これで万全だろうと思っていました。
実際、乗車直後は「今回は快適に過ごせそうだ」と安心さえしていたのです。
ところが、いざ走り始めてしばらくすると、予想外の痛みに襲われました。
お尻が痛い。
なぜかと言えば、座席を十分に倒せないため、全体重が腰からお尻に集中してしまったのです。
どれだけ工夫したつもりでも、経験のない状況には“想定外の不具合”が必ず潜んでいる。
そう気づかされた瞬間でした。
到着後すぐに携帯用の座布団を購入したのは言うまでもありません。
「次こそは痛みに悩まされないように」という、小さな経験から生まれた改善策です。
想定したつもりほど“盲点”は生まれる
私は乗車前、「これだけ準備したのだから完璧だ」と思い込んでいました。
しかし、完璧と思い込んでいたのは“経験のない人の完璧”であり、実際に体験してみたら不十分な点がいくつもあった。
人は、自分が知らない領域にいるときほど、準備をしているつもりでも準備が甘くなります。
この構造は、多くの人が気づかないまま陥る“思い込みの罠”です。
頭で考えた完璧と、経験を踏まえた完璧は違う。
経験を重ねた人ほど想定が細かく、改善点を先に見つけられる。
その差が大きな結果の差を生むのです。
営業における「原因と結果」はこの構造そのもの
セールスの現場もまったく同じです。
資料準備をしっかり整えても、商談の場では必ず想定外が起こります。
顧客の反応が違うこともあれば、質問の角度が予想外なこともある。
成約につながると考えていた訴求ポイントが響かないことだって珍しくありません。
「こんなに準備したのに、なぜ?」
そう感じた経験は、営業職なら一度はあるのではないでしょうか。
しかし、その“なぜ”の正体は、夜間バスでのお尻の痛みと同じ構造です。
つまり、経験しないと気づけない不十分さが必ず残っているということです。
だからこそ営業は、
想定 → 体験 → 気づき → 改善
という循環を続けることで、初めて成果が安定していきます。
準備が完璧でも結果が出ないことがあるのではなく、準備は体験と改善によって初めて“完璧に近づいていく”ものなのです。
小さな不快を放置しない姿勢が、営業の成長速度を加速させる
夜間バスでお尻が痛くなったとき、「まあこんなものか」とそのまま放置していたら、次回も同じ痛みに苦しむだけです。
しかし、その小さな痛みに向き合い、道具を買い足したり姿勢を見直したりすることで、次の体験が大きく変わります。
営業も同じで、「うまくいかなかった原因」を言語化し、その小さな違和感に丁寧に向き合うほど成長スピードは飛躍的に上がっていきます。
逆に、不足している部分を放置してしまうと、何度やっても同じところでつまずき続けます。
そこで重要なのは、失敗ではなく、“失敗から得たヒント”です。
経験が増えるほど、あなたの“想定の質”は高くなる
経験とは、不足を知る行為です。
改善とは、不足を埋める行為です。
そして成長とは、不足が減るたびに訪れる結果なのです。
経験がなければ不足に気づけず、改善もしようがありません。
しかし一度体験すれば、次に備える対策は自然と精度が上がり、結果は確実に変わります。
夜間バスも営業も、原因と結果の構造は驚くほど同じです。
準備だけでは完璧にはならない。
経験だけでも不十分。
両方を往復することで初めて成果が積み上がっていきます。
あなたの営業の次の成長は、経験の中に潜む“小さな痛み”に気づいた瞬間から始まります。





