コスパ・タイパを超えた想像力の磨き方

こんにちは。
毛利まさるです。

コスパ・タイパの本質

現代社会には「効率こそ正義」という雰囲気があります。
少ない労力で大きな成果を得ることは確かに合理的であり、特にビジネスの世界では欠かせない仕事術です。
会議の時間を短縮し、移動をオンラインに切り替えることは、まさにコスパ・タイパを意識した選択です。

であるものの、この価値観を日常生活のすべてに持ち込んでしまうと、大切なものを失うリスクがあります。
効率的な移動手段だけを選び続けた結果、そこで得られるはずの新しい景色や偶然の出会いを切り捨ててしまうのです。

効率化が奪うもの

大阪から東京へ行くなら、飛行機は最速の移動手段です。
時間のコスパは抜群で、短時間で目的地に到着できます。
しかし飛行機にばかり乗っていると、新幹線から見える富士山の雄大な姿を一生知らないまま終わるかもしれません。
さらに「のぞみ」と「ひかり」では停車駅が異なり、静岡の景色が見えるかどうかも違います。

効率を追い求めすぎると、そこで得られるはずの偶然の発見や小さな感動を逃してしまう。
人は「効率を選んだ自分は正しい」と信じ込み、その裏で本当の学びや体験を見落とすのです。

想像力と社内営業の関係

ここで大事なのは、単に効率を否定することではありません。
むしろ「効率を前提とした上で、どのように想像力を働かせるか」が問われているのです。

例えば社内営業。上司や他部署と円滑に仕事を進めるために、相手のニーズを理解し、適切な提案を行うことは効率的な業務推進に直結します。
であるものの、単に「これをすれば効率が良いから」と説明するだけでは相手の心は動きません。
相手がその場でどんな不安を抱えているのか、どんな景色を見ているのかを想像することが求められます。

つまり「相手の立場に立って考える」という想像力こそ、効率化の裏でこそ必要になるスキルなのです。

想像力を磨く方法

想像力を鍛えるためには、あえて非効率な選択をしてみることが役立ちます。
新幹線であえて「ひかり」に乗る。
ランチの時間を短縮せず、あえてゆっくり街を歩いてみる。
これらは一見するとタイパが悪い行動です。
しかしそこでの体験が、新しい発想や視点をもたらすことがあります。

ビジネスにおいても同じです。
社内営業で相手に提案する時、「最短の答え」を出すことも重要ですけど、「その答えに至る過程」を示すことで相手に安心感を与える場合もあります。
効率を重視するあまりに削ぎ落としたものの中に、実は相手に響く本質が隠れているのです。

想像力が拓く未来

効率的に生きることは現代社会では当たり前になりました。
しかし、これからの時代に問われるのは「効率を超えて、どれだけ想像力を発揮できるか」です。
AIが登場し、合理的な判断はますます自動化されていきます。
そんな時代に人間が価値を持ち続けるためには、効率化の枠を一歩超えた想像力を育むことが欠かせません。