上司の「これじゃない」を防ぐ唯一の方法は上司の言葉を翻訳すること

こんにちは。
毛利まさるです。

上司の指示を翻訳するという社内営業の発想

「上司から指示された通りにやったのに『これじゃないよ』と言われた」
そんな経験はありませんか。

正直、誰しも一度は味わったことのあるモヤモヤだと思います。
もし上司が「〇〇をこうして、ここまで仕上げてほしい」と具体的に指示してくれるならズレは起きません。
けれど、そこまで丁寧に支持してくれる上司はなかなかいないのではないでしょうか。

このとき危険なのは、上司の指示を聞いた瞬間に「わかりました」と即答することです。
なぜなら、その「わかった」は本当にわかったのではなく、自分なりに解釈しただけだからです。
そしてその解釈がズレると「これじゃないよ」が待っているのです。

上司の言葉は外国語だと考える

想像してみてください。

あなたがインターネットで商品を買ったとき、その説明書がヒンディー語で書かれていたらどうしますか?

おそらくイラストや写真を見て「こんな感じだろう」と推測するでしょう。
しかし、それでは細かいところまではわかりませんよね。
正しく使うには翻訳アプリを使って、言葉の意味を正確に読み取るしかありません。

上司の指示も同じです。表面的には日本語で聞いていますけど、その実は別の言語で話しているようなものです。
たとえば「分析しておいて」「課題を明確にして」という指示は抽象的すぎて、人によって解釈が違います。

だからこそ、「翻訳」する作業が必要なのです。

翻訳のための問いかけ

では、どう翻訳するか。ここで役立つのが質問です。

実は、指示を受けた瞬間に「はい、わかりました」と答える前に、確認すべきことがあります。

「この分析はどの範囲までを対象にすればよいでしょうか?」
「課題を明確に、というのはチーム全体の課題でしょうか、それとも顧客ごとの課題でしょうか?」
「最終的なアウトプットはレポート形式がよいですか?それとも口頭での共有でよいですか?」

こうした質問を投げることで、上司が頭の中でイメージしている「完成形」を引き出せるのです。
これは決して面倒なことではなく、むしろ双方の認識をすり合わせる重要な作業です。

社内営業の一環としての翻訳力

ここで大事なのは、この翻訳力が単なるタスク遂行の技術にとどまらないということです。

実はこれは、社内営業の一環でもあるのです。

上司の指示をそのまま受け取ってズレた成果物を提出するよりも、
「自分の言葉で翻訳して、理解を深めようとする姿勢」を見せた方が圧倒的に評価されます。

なぜなら、相手に「この人は自分の意図を正確に汲み取ろうとしている」と伝わるからです。
これは社外の営業で言えば、顧客のニーズを正しくヒアリングするのと同じです。
社内における信頼の積み重ねは、このような小さな姿勢から生まれます。

上司の指示が曖昧でズレが生じるのは当たり前のことです。
だからこそ「わかりました」と即答するのではなく、「翻訳する」姿勢を持つことが重要です。
上司の言葉をそのまま鵜呑みにするのではなく、質問を通じて意味を深掘りし、認識をすり合わせる。

それは結果的に、社内営業の強力な武器となり、信頼を得る最短ルートになるのです。