「これだけやったのに裏切られた」レジリエンスで乗り越える心の持ち方

こんにちは。
毛利まさるです。

これだけやったのに裏切られた——レジリエンスで立ち直るために

「これだけやってあげたのに、裏切られた」

そんな経験はありませんか?人を助けたつもりが、感謝されるどころか、思わぬ仕打ちを受けてしまう。
これは心に大きな傷を残しますし、「もう人を信じたくない」と思うきっかけにもなります。

この感情を理解するヒントになるのが、イソップ童話『Farmer and Snake』(農夫と蛇)です。

『Farmer and Snake』が教えるもの

物語はこうです。ある寒い冬の日、農夫は凍えて弱った蛇を見つけ、哀れに思い家に連れて帰ります。
農夫は蛇を暖め、元気を取り戻させようとします。

ところが、蛇は回復すると農夫に噛みつき、農夫は命を落としてしまいます。

この話は「本性は変わらない」という教訓として知られています。
しかし、もう一つ別の角度からも読み取れます。それは、「助けた側の期待」と「助けられた側の認識」のズレです。

相手は助けを求めていなかったかもしれない

もしかすると、あなたが「助けてあげた」と思っている相手は、実は助けを求めていなかったかもしれません。

私たちはつい、「自分の行動は相手のためになったはず」と思い込みます。
しかし、相手の価値観や状況によっては、それを「ありがたい」とは感じない場合があります。

例えば、仕事で同僚を手伝ったつもりが、相手にとっては「自分の仕事のやり方を邪魔された」と受け取られることもあります。
このギャップが、感謝どころか反発を生む原因になるのです。

「見返りを期待する助け」は危うい

人を助けるとき、私たちは無意識のうちに「感謝されたい」「良い人だと思われたい」という気持ちを抱くことがあります。
それ自体は自然な感情です。

しかし、その期待が大きすぎると、相手の反応が自分の思い通りでなかったときに、大きな失望や怒りが生まれます。

これはまさに『Farmer and Snake』の農夫が抱いた感情かもしれません。
「助けたんだから、感謝されて当然だ」という前提が裏切られた瞬間、心のダメージは倍増します。

レジリエンスで立ち直るために

このような感情の揺れに対して、自分なりの捉え方を変えることが重要です。

  1. 助ける目的を明確にする 「自分がそうしたいからやる」という軸を持つ。相手の反応は結果であり、目的ではないと割り切る。
  2. 相手の状況を確認する 本当に必要とされているかを見極める。求められていない援助は、善意でも押しつけになり得る。
  3. 結果より行動に価値を置く 感謝や見返りではなく、「自分ができる行動を選んだ」という事実そのものを誇れるようにする。

辛い経験を次に活かす

裏切られたと感じる経験は辛いものです。
しかし、その経験を「もう誰も助けない理由」にするのか、「助け方を見直すきっかけ」にするのかは、自分次第です。

経験を振り返り、何がズレを生んだのかを考えれば、次はもっと適切な形で相手を支えられるようになります。

つまり、裏切りの経験は、レジリエンスを鍛えるための試練でもあります。

まとめ

『Farmer and Snake』は、「助けたのに裏切られた」という感情を象徴する物語です。
そこから学べるのは、助ける側の期待と、助けられる側の受け止め方が必ずしも一致しないという事実です。

助けるときは「相手のため」というより、「自分の信念のため」と考えることが、裏切られたときの心のダメージを最小限にします。