そこにエゴはあるんか?

こんにちは。
毛利まさるです。

あなたはこんな気持ちがありますか?
「誰かの役に立ちたい」
そう思って行動するのはとても素晴らしいことです。

人のために尽くし、周囲に貢献する姿勢は、
自己成長や社会貢献において重要な要素です。
けれど、その気持ちに「エゴ」が潜んでいないか、
自分に問いかけることも必要です。

「役に立ちたい」という思いが、
いつの間にか「褒められたい」という感情
にすり替わってはいないでしょうか。

人は誰しも、他者から認められたいという欲求を持っています。

心理学でいう「承認欲求」は、
人間の根源的な感情のひとつです。

それ自体は決して悪いことではありません。
むしろ、承認欲求があるからこそ人は努力し、成長していくのです。

しかし、問題は「褒められること」
そのものが目的になってしまうことです。

たとえば、同僚が困っていたので手を貸したとします。
そのとき、「助けになれてよかった」
と思えれば素晴らしい行動です。

けれど、もし「これだけやったのに感謝の言葉がなかった」と感じたり、
「もっと評価されるべきだ」と思ったりするなら、
それは「エゴ」が入り込んでいる証拠です。

本来の目的は「役に立つこと」であったはずが、
いつの間にか「自分が認められること」
にすり替わってしまうのです。

そうなると、行動の基準が「人の役に立つかどうか」ではなく、
「どれだけ褒められるか」になってしまいます。

その結果、感謝されない行動には価値がないと感じたり、
他人の評価がなければ努力そのものが無意味だとさえ思うようになります。

この状態が続くと、やがて「評価される行動」だけを選ぶようになり、
誰かが見ていない場面や地道な努力を軽視するようになってしまいます。

結果的に、短期的な評価ばかりを追い求めるようになり、
本当に大切なことが見えなくなってしまうのです。

褒められたい、評価されたいという感情は、
突き詰めれば「失うことへの恐れ」から生まれるものです。
評価されないと自分の存在価値が失われるのではないか、
努力が無駄になるのではないか
そんな不安が、エゴを大きくしてしまうのです。

だからこそ、「褒められたい」という気持ちが芽生えたときこそ、
自分に問いかけてみてください。

「そこにエゴはあるんか?」

その行動は本当に誰かの役に立つためだったのか、
それとも「褒められるため」にやってしまっていないか。
自問することで、見えてくるものがあるはずです。

本当に人のためになる行動は、
誰にも気づかれないことのほうが多いものです。

けれど、見返りを求めずに行動し続けることで、
やがて信頼という形で評価がついてくるのです。

「役に立ったから良かった」と、
その事実だけを素直に受け入れる。

それが、エゴを抑え、自分自身をより強く、
しなやかに成長させる第一歩ではないでしょうか。