
こんにちは。
毛利まさるです。
気づかないまま使っている言葉はありませんか?
あなたは「トライアンドエラー」という言葉を日常的に使っていませんか?
営業の現場でも、研修でも、ビジネスの話題でもよく登場するフレーズです。
私自身も長い間、当たり前のように使っていました。
しかしある時、英語に詳しい方から「実はこの表現は文法的には誤りですよ」と指摘され、驚かされたことがあります。
正しくは“trial and error”である理由
本来正しいのは「trial and error」。
try は動詞で、error は名詞。
一方、trial は名詞であり、error も名詞であるため、文法的に並びが成立します。
つまり「try and error」は、動詞と名詞がセットになった不自然な組み合わせで、英語としては誤用になります。
この事実を知ったとき、恥ずかしさよりも「こんなにも長く、違和感を持たず使っていたのか」という驚きのほうが大きかったのを覚えています。
知らなければ気づかず、知れば違和感を覚える。
たったそれだけのことなのに、内面の認識は大きく変わりました。
“知らないから違和感を持てない”という構造
ここで大切なのは、英語力の話ではありません。
本当に大事なのは「知らないことには、違和感すら持てない」という構造そのものです。
あなたも経験があるのではないでしょうか?
最初は正しいと思い込んでいた言葉や考えが、学びによって一瞬で覆される瞬間。
その瞬間、以前は普通に思えたものが、急に違和感を帯びて見えるようになります。
人は“知ることによって初めて、気づけるようになる”のです。
営業でも“気づかれない違和感”は存在している
この話は、実はセールスの世界でも同じ構造を持っています。
たとえばあなたが自信を持って話した説明が、相手にはどこか伝わっていない。
あなたは正しく伝えたつもりなのに、相手は妙な引っかかりを抱いたまま進んでしまう。
そんな場面はありませんか?
それは、あなた自身が気づいていない“発言のズレ”や“無自覚な前提”に、相手だけが違和感を覚えている可能性があります。
誤った言葉を誤ったまま使うように、自分では自然でも、相手にとっては違和感を生む表現が存在するのです。
しかも、あなたがその存在に気づいていなければ、違和感を修正することはできません。
知らないからこそ、違和感を感じるポイントに気づけない。
これはセールスにおいて極めて大きなリスクです。
違和感を自覚できる人が“成果を出し続ける人”
営業で成果を出す人は、相手がどこに引っかかりを覚えるのかを敏感に察知します。
資料の説明、言葉の選び方、話す順番、例え話の置き方。
相手が「ん?」と違和感を覚えた瞬間を逃さず回収できる人ほど、クロージングの質が高まっていきます。
逆に、無意識のズレに気づかずに話し続けると、最後の最後で信頼が揺らぎます。
どれだけ準備をしても、どれだけロジックを整えても、相手が抱えたままの違和感が消えなければ、商談は前に進みません。
気づく力があるかどうかで、成果は大きく変わるのです。
知ることで世界が変わり、成果も変わる
“trial and error” を知れば “try and error” に違和感が生まれるように、営業もまた学びによって世界が変わります。
自分が正しいと思っていた言葉が、相手には正しく届いていないかもしれないという前提を持つこと。
その姿勢こそが、営業としての成長を一気に加速させるのです。
これからのセールスに必要なのは、正しさよりも「気づく力」。
違和感を感知し、修正し、相手の認識と自分の意図を一致させること。
その積み重ねこそが、最も強く、再現性の高い営業力へとつながっていくのです。





