承認の力でチームも心も整う

こんにちは。
毛利まさるです。

承認を使いこなす

あなたは最近、誰かに「ありがとう」と言われた瞬間を覚えていますか?

その一言で、なんとなく心が軽くなったり、自分の存在が認められたような気持ちになったりしたのではないでしょうか。
実はそれこそが「承認」の力です。

承認とは、単に人を褒めることや評価することではありません。
それは、「あなたがここにいること」そのものを認め、大切に思うという行為です。

承認は相手の行動を促すだけでなく、自分自身の心の状態を整える力もあります。

承認とは「存在を大切にする行為」

多くの人は「承認」という言葉を聞くと、「部下を褒める」「成果を認める」といった行動を思い浮かべます。

もちろんそれも承認の一部であるものの、本質はもっと深いところにあります。
例えば、職場で疲れた表情をしている同僚に「最近忙しそうですね」と声をかける。

友人の話を途中で遮らず、最後まで聴く。
家族に「いつもありがとう」と伝える。

こうした小さな行動こそが、相手の存在を認める「承認」です。

人は「自分は見られている」「大切にされている」と感じると、心の安全基地を得ます。
そこから自然と意欲が湧き、行動が変わるのです。

承認は「お互いの自己重要感」を育てる

面白いのは、承認は相手だけでなく、伝える側の自己重要感も高めるということです。

誰かを認めるとき、私たちは無意識に「他人の良さを見つける視点」を使います。
この視点は、同時に「自分の中にも良さがある」という感覚を思い出させてくれます。
つまり、承認とは一方的なものではなく、相互的な行為なのです。

人を認める力は、自分を認める力でもある。
だからこそ、日常の中で意識的に承認を使いこなすことは、心を整える最高の習慣になります。

言葉には力がある

「ありがとう」「助かりました」「あなたがいてくれてよかった」
これらの言葉には、思っている以上に強いエネルギーがあります。

心理学の分野でも、感謝を伝える言葉は幸福度を上げることが確認されています。
逆に、批判的な言葉ばかりが飛び交う環境では、人は心を閉ざします。

承認の言葉は、相手の可能性を引き出す“呼吸”のようなもの。
息をするように、自然に、日常の中に取り入れていきたいものです。

承認は「返報性の法則」を生む

心理学の世界には「返報性の法則」という言葉があります。

人は、誰かから良いことをされると、自然とその人に良いことを返したくなるという法則です。
承認もまさにこれです。

相手の存在を大切にし、心からの言葉を贈れば、その思いはやがてあなたに返ってきます。
もちろん、それを期待して承認するわけではありません。

しかし、人は温かいものに触れると、温かさを返したくなる生き物です。
この循環が、チームや家族、そして社会全体の空気を変えていくのです。

承認を使いこなすための姿勢

承認を上手に使いこなすには、「結果」ではなく「プロセス」に目を向けることが大切です。

誰かの行動に対して、「うまくいったかどうか」だけを見てしまうと、承認の幅が狭まります。
「努力した」「挑戦した」「相談してくれた。
こうした一歩一歩を認めることで、相手は前を向けるようになります。

もう一つ大事なのは、「比較」ではなく「関心」から出発することです。
他人と比べるのではなく、「あなたのここが素敵だね」「前より成長しましたね」といった具体的な言葉を選ぶのです。

そうすれば、承認はお世辞ではなく「真心」として届きます。