
こんにちは。
毛利まさるです。
「俺はそうは思わない」と社内営業
あなたの周りにもいませんか?
社内会議で「いや、俺はそうは思わない」と感覚だけで発言する人。
とくにベテラン社員に多いのではないでしょうか。
彼らは経験豊富であるものの、自分の「主観」に基づいて断定的に話すことがあります。
たとえば「営業は対面がすべてだ」とか「メールだけでは失礼だ」などです。
しかし、本当にそうでしょうか?
営業の本質と手法の変化
営業の本質は、時代を超えても大きくは変わりません。
顧客のニーズを理解し、信頼関係を築き、価値を提供する。
この根本は江戸時代の行商人であろうと現代の営業であろうと同じです。
であるものの、営業の「手法」は時代とともに大きく変化しています。
メール、インターネット、SNS、さらには生成AIを活用したリサーチ。
これらが日常化した現代において、「対面でないと失礼だ!」という意見は必ずしもすべての状況に当てはまるわけではありません。
むしろ効率やスピードを考えると、オンラインやデジタルを前提にすることが顧客にとって合理的であるケースも多いのです。
「主観」に対して「主観」で戦わない
問題は、こうした「主観的な発言」にどう向き合うかです。
多くの場合、相手がベテランや上司であればあるほど、彼らの「感覚」が絶対視されがちです。
しかし、その場で「いや、それは違います」と自分の主観で反論してしまうと、単なる泥沼試合になりがちです。
最終的には立場の強い人の意見で押し切られて終わり。
これでは建設的な議論にはなりません。
だからこそ大切なのは、「主観」に「主観」でぶつからないことです。
感情を交えるのではなく、客観的なデータや第三者の視点を持ち込むことが解決のカギになります。
客観的な視点を味方にする
たとえば「オンライン営業は失礼だ」と言われたとします。
そのときに「いや、自分はそう思いません」と返すのではなく、
「実際に〇〇社の調査では、BtoBの商談のうち70%以上がオンラインで成立しています」といったデータを提示する。
あるいは「リモート営業の方が成約率が高いケースも報告されています」と客観的に説明する。
こうすることで議論は「主観のぶつかり合い」から「事実に基づく検討」へとシフトしていきます。
これはまさに社内営業の本質ともいえます。
社外のお客様に対して提案するときと同じように、社内であっても「相手の感情や主観に寄り添いながら、
客観的な材料を提示する」ことが重要なのです。
「俺はそうは思わない」と言いたくなったとき
もちろん、あなた自身が「俺はそうは思わない」と感じる瞬間もあるでしょう。
そのときに大切なのは「ただ否定すること」ではなく「違いを浮き彫りにし、相手に考えるきっかけを与えること」です。
たとえば「確かに対面は重要ですけど、実際に若手の顧客はメールやチャットでのレスポンスを好む傾向もあります」といった具合に、
相手の主張を認めつつも新しい視点を差し込む。
これなら単なる否定ではなく、会話を前に進める形になります。
ベテランと新人の橋渡し
組織の中では、ベテランと新人の間で「感覚のズレ」が大きくなることがあります。
ベテランは長年の成功体験から「これが正しい」と信じやすい。
しかし新人は最新のツールや価値観に触れているため「もっと効率的な方法がある」と考える。
このギャップを埋めるのも、社内営業の大切な役割です。
つまり「伝統を尊重しながら、変化を提案する」こと。そのためには、冷静さと根拠を持つことが欠かせません。
ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェはこう言いました。
事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである
出典: Wikiquote – Friedrich Nietzsche
この言葉は、まさに「主観」と「客観」の関係を考える上で重要です。
人の意見はその人の解釈にすぎません。
だからこそ、感情で対抗するのではなく、事実や根拠を提示することが、社内営業における最大の武器となるのです。
「俺はそうは思わない」と思う瞬間は誰にでもあります。
しかし、その気持ちをそのまま主観で返すのではなく、客観的な材料を用いて冷静に伝えることで、
あなたの意見は社内でより受け入れられやすくなります。
つまり、社内営業とは「主観と主観のぶつかり合い」を避け、「客観を味方につける仕事術」なのです。





