
こんにちは。
毛利まさるです。
あなたは「白黒はっきりさせたい」と思った経験はありませんか?
会議での議論や日常生活の判断において、答えを一つにまとめた方がスッキリして安心できる場面は多いでしょう。
「〇〇はダメだ。だから▲▲が良い!」と断定的に言ってくれる人は頼りがいがあるように見え、つい従ってしまいたくなるものです。
しかし、世の中の事象の多くはそんなに単純ではありません。
本当にその間にある△は存在しないのか、と考えることが大切なのです。
今回は、曖昧さを受け入れ、仕事術として活かすための視点について解説します。
白黒はっきり言うことの魅力と危うさ
断定的な言葉には力があります。
リーダーが「これはダメ。だからこれをやろう」と明確に方向性を示せば、周囲は安心し、行動しやすくなります。
大衆を動かすためには、白黒はっきりとした物言いが効果的であるのも事実です。
心理学的にも、人は曖昧なものよりも「単純でわかりやすい説明」に安心感を抱く傾向があります。
だからこそ、白黒を強調する人が注目され、支持を集めるのです。
であるものの、そのシンプルさの裏には大きな落とし穴があります。
現実を単純化しすぎることで、重要な要素を見落としたり、多面的な視点を失ったりする危険があるのです。
間にある「△」の存在
物事には必ずグラデーションがあります。
たとえば「テレワークは良いのか悪いのか」という問いに対しても、単純に〇か×では答えられません。
職種や個人の性格、会社の文化によって最適解は異なります。
「オフィス出社とリモートのハイブリッドが一番うまくいく」という△の立場があるからです。
この△を無視して白黒に分けてしまうと、現場の実情に合わない判断が生まれ、組織や人材に無理を強いることになります。
つまり、△の存在を意識することが、多様な人材を生かし、柔軟な戦略をつくるためには不可欠なのです。
曖昧さを扱える人が信頼される
実は、白黒をはっきりさせるよりも「グレーを扱える」人こそが信頼されます。
なぜなら、多くの人が現実の複雑さに悩み、迷っているからです。
その迷いを受け止めたうえで「確かにこれは難しい問題ですね。
しかし、この部分は白に近いし、この部分は黒に近い。その間にある余地を一緒に考えましょう」と言える人は、単なる断定よりもはるかに説得力を持ちます。
ビジネスにおいては、こうした多面的な見方がリスク管理にもつながります。
曖昧さを残したまま進むことで、新しい可能性や柔軟な対応の余地が生まれるのです。
仕事術としての「曖昧さの活用」
では、具体的にどうすれば「白黒の間」をうまく活用できるのでしょうか。
第一に意識すべきは「両面を見る」ことです。
たとえば企画が通るかどうかを検討するとき、単に「成功するか失敗するか」だけではなく、「部分的に成功する可能性」「条件が揃えば成功に近づく可能性」といった中間のシナリオを描くのです。
第二に「時間軸をずらして考える」ことも有効です。
今は黒に見えても、半年後には白に近づくことがあります。
この視点を持つことで、目の前の結論に縛られず柔軟な行動が取れるようになります。
第三に「相手の立場に立つ」ことです。
自分から見れば黒でも、相手から見れば白に近いことは少なくありません。
多面的な視点を取り入れることで、より良い合意形成が可能になるのです。
この三点をぜひお試しください。





