昭和の“男気”・“上司へ忠誠”を前提にした古い価値観

こんにちは。
毛利まさるです。

その違和感、あなたは気づいていたのではないでしょうか?

営業の現場で、いまだに聞こえてくる言葉があります。
「〇〇さんを男にしたい」「この支店を男にしよう」。

あなたもどこかで耳にしたことがあったのではないでしょうか?

最初は勢いやノリに聞こえるものの、心の奥ではどこか引っかかる。
その結果、言葉は盛り上がっているように見えるのに、チーム全体としては前向きになれない。

あなたがそう感じていたのなら、それは決して気のせいではありません。
それは、その言葉が昭和の価値観を引きずったコミュニケーションだからです。

昭和の“男気”が前提になったとき、何が起きるのか?

たとえば「男にする」という表現。

これは、

・性別を前提にしている
・上司の名誉を中心に置いている
・部下が上司を持ち上げる構図を再生産している

という価値観につながります。

おわかりでしょうか?

この言い方の裏側には、個々の成果より“上司の顔を立てることが重要だ”というメッセージが含まれてしまうのです。

しかし現代の組織では、性別に依存したモチベーション設計は成立しません。
なぜなら、評価基準は“個人の成長と再現性”に移っているからです。

ですので、上司の名誉をモチベーションに据える方法は、令和の営業組織では機能しないのです。

昭和式リーダーシップの限界点

「上司のために」「男気を見せるために」といった価値観は、確かにチームを一瞬だけ盛り上げる効果があります。

しかし冷静に考えてみてください。

あなたが将来のキャリアに悩み、不安を抱える時期であればなおさら、
“上司のために働く”という軸では成長の方向性が見えにくいのです。

その結果、自分の努力がどこにつながるのか不透明になり、行動の再現性も失われ、成果は安定しなくなります。

それは“上司中心の価値観が、あなたのキャリアの主体性を奪う”からです。

現代の組織に必要なのは「個人の納得感」

では何が必要なのか?

それは、「自分はなぜこの目標に向かうのか?」という個人の納得感です。

資料を渡す時に「見ればわかる」では伝わらないように評価や方向性も「察してほしい」では届きません。

相手が何を大事にし、何を得たいのか。
その“見どころ”を言語化して伝えることが必要なのです。
映画を勧めるときも「見ればわかる」と言われれば観る気は起きません。

しかし「このシーンが最高なんだ」と語られれば、人は自然と心が動きます。

逆に言うと、上司の名誉を中心に据えた言葉では、部下の心は動かないのです。

組織が成長するための“現代型コミュニケーション”

現代のマネジメントに必要なのは、上下関係ではなく、目的と価値の共有です。

・なぜこの目標を追うのか
・その結果、何が変わるのか
・個人のキャリアとどう結びつくのか

これを言語化できれば、たとえ業績が落ち込んでいても、たとえ上司が変わっても、“自走できる営業”に変わります。

「昭和の男気」は確かに熱くて魅力的であるものの、その熱さだけでは組織は前に進めません。

これからの組織に必要なのは「誰かを男にすること」ではない

あなたが違和感を覚えたのは、自然なことです。
そしてその違和感こそが、現代の営業組織に必要な“アップデートのサイン”です。

誰かの顔を立てるために頑張っても、あなたのキャリアのためにはなりません。
逆に言うと、あなたが主体性を取り戻したとき、チームは自然と強くなりえないのです。

これからの組織に必要なのは、性別でも、忠誠でもなく、個々の成長と納得感
それが令和の営業における、最も再現性の高い成功パターンなのです。